「入ってまだ1年なのに、辞めるのは早すぎるかな」
そう思って踏みとどまっている人は多いのではないでしょうか。やっと入れた会社なのに、同期はまだ続けているのに、親に心配をかけたくない。そういった気持ちが重なって、「もう少し続けてみよう」と辛い状況を我慢している人もいると思います。
でも私は、1年いて合わないと感じているなら、辞めることは十分な選択だと思っています。
この記事では、新入社員でも1年で仕事を辞めていいと思う理由を3つ、自分の経験をもとに書きます。
「新入社員なのに辞めるなんて」という呪縛
「石の上にも3年」「せめて1年は続けないと」という言葉は、入ったばかりの会社を辞めようとするときに特に重くのしかかってきます。
就活や転職活動で苦労した分、「せっかく入れた会社なのに」という気持ちも出てきます。内定をもらったときに喜んでくれた人の顔が浮かんで、言い出せない人もいるかもしれません。
私自身、入社式のとき「サラリーマンになってしまった」という気持ちが湧いてきて、なんとも言えない感覚になったのを覚えています。それでも最初は続けていこうと思っていました。ただ、配属先に行き始めてから、その気持ちがどんどん現実になっていきました。
「辞めてはいけない」という気持ちが、本当に自分のためになっているかどうか、一度立ち止まって考えてみてください。
就職先が合わなかったことは、努力や能力の問題ではないと思います。入ってみないとわからないことは必ずあるし、入社前にすべてを見通せる人はいません。
理由① 1年いれば、職場が合うかどうかはもうわかる
入社してすぐは「慣れていないから辛いだけかもしれない」という状態があります。でも1年近くいれば、それが慣れの問題なのか、環境そのものの問題なのかはわかってくると思います。
私は新卒で入った会社を、約1年で辞めました。4月に入社して研修期間を経て、秋ごろから配属先に本格的に行き始めて、1月には辞めていました。
配属先で感じたのは、同僚に合わない人間が多すぎるということ、仕事の内容が面白いと思えないこと、上司が話すたびに言っていることが変わること、そして片道90分・乗り換え5回という毎日の通勤でした。
「これは慣れで解決する問題ではない」と判断するのに、そんなに時間はかかりませんでした。人間関係は変わる気配がなかったし、通勤距離は変わらないし、上司の言動も変わらなかった。改善される根拠が何もなかったからです。
「慣れたらもう少し楽になるかも」と思える状態と、「これは環境そのものの問題だ」と感じる状態は、1年いれば区別できるようになります。後者だと感じているなら、その判断を信じていいと思います。
1年いて「慣れの問題ではない」と感じているなら、その判断は正しいと思います。
理由② 自分では変えられない問題は、続けても変わらない
職場の問題の中には、自分がどう頑張っても変えられないものがあります。
上司の性格、職場の人間関係、通勤の距離、会社の方針。これらは自分の努力でどうにかなるものではありません。
「もっと頑張ったら関係が良くなるかもしれない」と思って続けることもできます。でも相手の人間性が変わる可能性は低いし、通勤距離は引っ越しでもしない限り変わらない。自分ではどうにもならない問題に対して「もっと頑張る」を選ぶのは、消耗するだけです。
私の職場では、上司が話すたびに言っていることが変わりました。先週「こうしてほしい」と言われたことが、翌週には「なぜそうしたんだ」になる。これは自分がどう動いても解決できない問題でした。
こういう問題を前にして「自分がもっとうまく立ち回れば」と考えるのは、方向が違うと思います。問題は相手にあるのに、自分を変えることで解決しようとするのは限界があります。
「変わるかもしれない」ではなく「変わる根拠があるか」で考えてみてください。根拠が何もないなら、辞める選択は正しいと思います。
自分ではどうにもならない問題に気づいたなら、それ以上消耗する必要はないと思います。
理由③ 限界になってから辞めると、次の判断が鈍くなる
辞めるタイミングが遅くなるほど、回復にかかる時間も長くなりやすいです。
「もう少し頑張ってから辞めよう」と続けた結果、心や体が限界に近い状態で辞めることになると、次の転職先を選ぶ判断力も下がっています。「どこでもいいからとにかく就職したい」という状態で転職先を選ぶと、また同じような環境に入りやすくなります。
合わないと感じた時点で辞めることは、自分の判断力がまだ正常に機能しているうちに動くということでもあります。
体や心からのサインが出ているなら、それを「気のせい」で終わらせてはいけません。そのサインを無視して続けると、後でより大きな代償を払うことになります。
新入社員の時期は、環境への適応だけでも相当なエネルギーを使います。その消耗に加えて、合わない環境への我慢まで重ねていくと、気づいたときには相当ダメージが蓄積しています。早めに動ける状態のうちに判断することをおすすめします。
辞める前にやっておいた方がいいこと
正直に書くと、私は準備をほとんどせずに辞めました。辞めた後は地元に戻ってバイトや派遣をしながら色々なことに挑戦して、その先で映像制作に出会って今に至ります。
結果的にはよかったと思っていますが、次の見通しを何も持たずに辞めることは人には勧めません。精神的な余裕がないまま動くと、判断が焦りに引っ張られやすくなるからです。
辞める前に少しでもやっておいた方がいいことを3つ挙げます。
まず、転職サイトを見るだけでもいいので、次の仕事の選択肢をなんとなく把握しておくことです。「辞めたら何もない」という状態より、「選択肢がある」という状態の方が精神的に楽になります。求人を眺めるだけでも「他にも仕事はある」という感覚が持てます。
次に、辞める理由を自分の中で言語化しておくことです。「職場の環境が自分に合わなかった」でも十分な理由です。面接で問われたときに答えられる形に整理しておくと、次のステップがスムーズになります。
そして、退職の意思は直属の上司に早めに伝えることです。タイミングが遅くなるほど調整が大変になります。辞めることを決めたら、伝えるのは早い方がいいです。
「いつか辞めるかもしれない」と思っているなら、その段階から少しずつ情報を集めておくことをおすすめします。
まとめ
新入社員として入った会社を1年で辞めることを迷っている人に伝えたいのは、1年いてわかったことは本物の判断材料だということです。
慣れの問題ではないと感じているなら、その感覚は信じていいと思います。自分では変えられない問題があるなら、続けても状況は変わりません。そして、限界になる前に動く方が、次の一歩を正しい判断でできると思います。
「まだ1年しかいない」ではなく、「1年いて判断できる材料が揃った」と考えていいと思います。
頑張って入った会社だからこそ、辞めることへの罪悪感は大きいかもしれません。でも、合わない場所に居続けることが正解ではありません。逃げることは、自分を守ることと同じだと思っています。
辞めることを迷っているなら、その迷いに正直に向き合ってみてください。1年いたという事実は、逃げた証拠ではなく、ちゃんと向き合った証拠だと思います。



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